今年もお蔭様で誕生日を迎えることができました。 私は、ずっと以前から自分の誕生日を、命懸けで自分のことを産んでくれた『母に感謝する日』と決めておりまして、この日が来ると「お蔭様で今年も無事に歳を重ねることができました」と郷里の母に報告と御礼を述べてきました。 今年からはそのように伝える相手が居なくなってしまいましたが、それでも感謝する気持ちに変わりはないのであります。 今朝も江戸川の土手を歩きながら、空に向かって心の中で両手を合わせました。 『皈真釋尼知誠信女』―― 母の法名です。 法名はお寺の住職様が考えられて付けてくださるのですが、その中に「誠」の一文字が入っているのに私は少し驚きました。 母は「知佐(ちさ)」という名前でありましたので、そこから「知」という一字が採られたのは解かりますが、その下に私の名前である「誠」という一文字が付けられたのには少々戸惑いを感じました。 私には兄と姉が居りまして母によくしてくれましたし、いちばん末っ子で親に心配かけてばかりのこの私の名前が母の法名に在るのは(たまたま住職様が考慮されたとはいえ)何だかとても申し訳ないような気持ちにもなります。そして、何と言いますか結構プレッシャーをも感じます(笑) 故郷・長崎県の市街地は坂道が多い町です。 「長崎には上り坂と下り坂がどちらも全く同じ数だけある」という有名な笑い話(?)がありますが、私はこのしょーがないほど拙い言葉が大好きです。 “坂道は自分の体の向きによって上り坂にもなるし下り坂にもなる”、―― つまり、何か自分の身に重大な事が起きたとしても、自分の気持ちの持ち方次第でどうにでもなる。悲しいことにも思えるし笑えることだとも思えるし……。 そういう意味に繋がっています。 私は、長崎に代々伝わるこの上り坂・下り坂の話をいつも人生訓として心に持っております。 牡丹色というのでしょうか、私の母はその色の着物を大変気に入っておりました。 長崎市にあります諏訪神社の階段を、笑いながら登っている母の写真が古いアルバムから見つかりました。 お諏訪の神社様の、あの急な長い長い階段の坂道を、たぶんキツくてシンドい思いでありながらも、お気に入りの色の着物を着て笑いながら登って行く母のこの1枚の写真こそが私の大のお気に入りのものとなりました。 私も、これからも苦しいことや悲しいことや辛いことが時々きっとあると思いますが、(心の中では泣いていても)笑いながら日々を過ごしていきたいと思います。 拝啓、母上様。 まずは母さん自身がこの世に生まれてくれて、どうもありがとうございました。 父さんと出逢ってくれて、どうもありがとうございました。 父さんの求婚を受けてくださって、どうもありがとうございました。 私のことを産んでくださり、兄ちゃんと姉ちゃんの“きょうだい”に仲間入りさせてくださいまして、どうもありがとうございました。 出来の悪い私のことを決して諦めずに育て続けてくださいまして、どうもありがとうございました。 故郷を離れ都会に出てゆくことを許してくださり、どうもありがとうございました。 帰省した時、いつも笑って迎えてくださり、どうもありがとうございました。 私が選んだ人の手を握って話しかけてくださって、どうもありがとうございました。 身体の調子を崩してしまっても頑張って生活されたこと、私の甥っ子や姪っ子たちの祖母として笑って過ごしておられたこと、どうもありがとうございました。 たくさんの時間をかけて絵手紙を書いて送ってくださり、どうもありがとうございました。 本当に、本当に、本当に……。 誠にもって、誠にもって、誠にもって、誠にもって、誠にもって、長い間たいへんお世話になりました。 |
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多くは語りません。今回の記事、最高です! |
マグロ屋 2015/02/24 06:17 |
まこっちゃんへ |
ハナミズキ 2015/02/24 22:32 |
マグロ屋さん |
まこっちゃん 2015/02/25 00:27 |
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まこっちゃん 2015/02/25 00:32 |
忙しくしていても、一年が短く感じても |
たろ 2015/02/25 09:02 |
まこっちゃんへ |
ハナミズキ 2015/02/25 20:42 |
たろさん |
まこっちゃん 2015/02/26 07:19 |
ハナミズキさん |
まこっちゃん 2015/02/26 07:20 |
末っ子でしたら、ご両親にとってさぞ可愛い存在だったのでしょうね。 |
おけいはん 2015/02/28 20:25 |
おけいはん |
まこっちゃん 2015/03/02 21:03 |
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